バリバリ伝説〜夢見てたあの頃を思い出すマンガ〜

スペンサーに憧れた世代〜バリバリ伝説〜

今回は若い頃に読んで影響されたバイクマンガの紹介です。

80年代、バイク好きな若者達は大きく二分されていました。

走り屋か、族(暴走族)か、です。

もちろん、それ以外の正統派ライダーの人も居たと思いますが、当時の自分の周りには居なかったので。

隔たった意見である事は自覚してます。

道路交通法改正による暴走族に対する取り締まりの相次ぐ強化により、特に都心部では暴走族が集会をやるのは実質不可能になりつつありました。

まるで、それならと言わんばかりのメーカーの新車種発表。

レーサーレプリカブームの到来です。

族車に改造しやすいようなカウル無しのアップハンドルのバイク、

当時の族に人気だったCBX400FとかZ400FXとか、つまり今で言うネイキッドですね、が姿を消し、

このままサーキットに行って下さいと言わんばかりのフルカウルのバイク達がバイク雑誌の誌面を埋め尽くしました。

TZRが筑波で何秒だったとか、

NSRというホンダの新型がTZRより速いらしいとか、

2スト250と4スト400はどっちが速いのか?とか、

4メーカー、レプリカ頂上決戦!峠の王者はどれだ?

とか。

ネットの無い時代、そんな雑誌が本屋にズラリと並んでいました。

当然、若者達は

「俺もスペンサーみたいに膝擦ってパワースライドしてみてぇ」

と憧れます。

そんな時代に連載が始まった、当時、走り屋のバイブルと言われた

“バリバリ伝説”

話のあらすじは単純明快!

「誰よりも速く!」

と主人公のグンも言ってます。

ホントに単純明快、走り屋小僧が世界チャンピオンになる話です。

当時の僕のようなアホな若造どもに読ませるんだから単純な程良いという狙いでしょうね。

その通りだと思います。

勿論、バイクでのコーナリングのバトルが沢山出て来ます。

直線番長系のバトルは殆どありません。

初期に1度ゼロヨンやった位じゃないかな。

主人公のグンは、昭和ヒーロー物に有りがちな最初から才能に恵まれた天才肌のスーパーマンです。

バイクは上手いしケンカも強くて顔もイケメン!

そんな奴いねぇよ!

と言う突っ込みどころ満載ですが、快活娯楽エンタメとしては王道です。

スカッとします。

その後、台頭して来た

「ダメダメな僕でも頑張れば出来た」系とは真逆です。

そして出て来るバイク達が魅力溢れる往年の名車揃いです。

最初に登場するのはグンの愛車、ホンダCB750F。

当時、峠の走り屋達の間で三種の神器と言われた、セパハン、バックステップ、集合マフラーが付いてます。

この時代のバイクはパイプハンドルが当たり前でハングオンに適した前傾姿勢を取るのは無理がありました。

バックステップも同じ理由です。

前傾姿勢を取ってステップをやや後方に向かって踏ん張れるポジションを作らないと、コーナー進入でタイミングを取ってフロントに荷重移動しながらヨーモーメントを作り出す動作が遅くなるんです。

僕もモタードハングオンを散々やったので良く分かります。

モタードだけどバックステップだけは付けました。

というのもハンドル位置よりステップが後方にある事の方が重要なので。

そしてハングオンした時に外足の内腿でタンクの角をホールドできるようにステップの位置を上げる事も必要です。

だから市販のバックステップって後上方に上がってますよね。

バックステップでパイプハンドルのままだとAMAスーパーバイクみたいな足だけ後ろで上体は立ってる、みたいなポジションになります。

慣れれば、振られた時に抑え込めるメリットもありますが、タイムを出すなら、やっぱりちゃんとコーナー進入ではフロント荷重したいです。

おっとCBの話でした。

集合マフラーは今では当たり前ですがCBの時代はまだヨシムラが集合マフラーを開発する前でした。

排気脈動を利用してパワーが上がると言う触れ込みでしたが、今思えば、軽量化と見た目のメリットの方が大きかったような気がします。

グンからはシビ子ちゃんと呼ばれて愛されていたCB。

数々の見せ場を残してくれました。

RZ350との公園一周バトルに始まり、海辺の族とゼロヨン、

みゆきのTT-F1に峠で千切られ、四輪のCR-Xとバトルしたり、

ピレネー山脈では地元のMCギャングと借り物CBでバトルしたりといろいろありましたが、

やはり最大最多の見せ場はヒデヨシとのカメバトルでしょう。

コーナー進入時に「カメ」と叫ぶ、六甲の習わしだそうです。

このカメバトルでグンの走りに磨きがかかります。

そしてCBは、このマンガの最大の悲劇と供にその役目を終えます。

もう知ってる人も多いでしょうが一応ネタバレなのでここでは伏せます。

因みに僕は少しだけ実車に乗った事があります。

自分のバイクじゃなかったのであまり本気な走りはしてませんが、

当時の印象としては、とにかく重くてブレーキも効かず、ストレートが速いかと言えば、本気で開けても当時59馬力だった4スト400レプリカに勝てるか怪しい、という程度。

もし乗り込んで慣れたとしてもコーナーを本気で攻められるバイクとは到底思えませんでした。

でもマンガですからね。夢があるのはいい事です。

で、CBの次のグンの愛車はNS400R。

2スト3気筒の当時人気絶頂だったスペンサーのNS500のレプリカです。

日本では59馬力に規制されましたが輸出仕様は85馬力くらいあったそうです。

これも59馬力の国内仕様なら実車経験あります。

同じ2スト400のガンマと比べるとパワーバンドに入ってドンと来る感じが強く、良く言えば2ストらしい、悪く言えばジャジャ馬感がありました。

これ、輸出仕様だったらさぞや楽しいだろうなと思ったものです。

でもガンマは500がありますからね。

ガンマは500の輸出仕様の95馬力が本領発揮でしょうから。

で、マンガでのNSの見せ場はやはり

「裏山サーキットタイムトライアル競技会」

でしょう!

工業系の大学に進学したグンはバイクで競争する構内イベントに参加します。

前年度チャンピオンのFZ400Rに対して、圧倒的な速さを見せつけ、

難所のコークスクリューと呼ばれる下りS字をウィリーで抜け、

伝説のコースレコードをブチ破るという、

これぞマンガと言わんばかりの痛快っぷり!

男の子が好きそうなツボを押さえてます。

ただ、その後、NSが登場したシーンが記憶にありません。

まぁ、この後グンが乗るのはとんでもないレーシングマシンのオンパレードなので、今さらNSでもないだろってのも分かるけど。

そのレーシングマシンの第1弾がHRCのRS250。

正確にはその前にTT-F3仕様のGSX-R400で鈴鹿4H耐久に勝ってるんですが、市販車改造クラスでなく生粋のレーサーとしてはRS250が初です。

なんで、ヒデヨシとの思い出の詰まったGSX-Rをすっ飛ばしてRSの説明に行ったか。

僕もRSに乗ってたので力説出来るから、いや、したいから、という個人的な理由です。

と思って下書きしたら、ろくでもない長さになったので切り離して別記事にする事にしました。

無理矢理ひと言で要約すると

レーサーって思い通りに動いてくれて楽しいよ!

って感じの内容です。

このマンガの中でのRSの魅力は、これぞ究極の2ストと言わんばかりの超ジャジャ馬、シマザキスペシャル。

パワーバンドが狭いって辺りは昔乗ってたモトクロッサーのCR125を思い出しました。

そしてドカンと来る辺りはCR500を思い出します。

残念ながら狭くてドカンなバイクには乗った事無いですが、単なる直線ならともかく、これでコースを攻めるのはさぞや難しいだろうな、と想像出来ます。

だってただでさえ前後のグリップが刻々と変化するコーナリング中にドカンと来られたら!

そろそろ総評です。

バイクでの特にコーナリングが好きな人、にとつては、これ以上、コーナリングについて掘り下げて描かれてるマンガは僕の知る限りありません。

ちゃんと可愛い女の子も出て来るし、コーナリング命男子にとっては完璧なマンガです。

当時読んでた人もオヤジになった今、もう一度読むと熱い何かが甦ります。

僕は最近読み直して、若い頃の気持ち、表彰台の真ん中に立つ事を夢見てたあの頃の気持ちを思い出して目頭が熱くなっちゃいました。

当時を知らない若い人が読んでも楽しめると思います。僕も若い時に熱中したので。