モチュール300V比較。15w-50と15w-60をドリーム50で試した。

ドリーム50(89cc)とカブ70に入れたら良い感じだったMOTULの300Vの15w-50(以下50番)。

300Vに関しては悪い評価をあまり聞かないし、値段も高いので

「良くて当たり前だよな」

って感じがしてました。

オマケとして付いてきたメロンソーダみたいな甘い香りはラッキーでしたが。

その時のインプレはこちら

ドリーム編

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個人的には総合点で最高峰と思ってる300V、嬉しくて乗りまくり、回しまくりました。

何かお気に入りのパーツとか改造とかした後って、用事も無いのに走り回ったりしたくなります。

ワコーズのトリプルアールを入れた時も、プロステージと比べると滑らかに回り、シフトもカチッと気持ち良いので調子に乗って走り回ったもんですが、300Vはそれ以上!

やっぱりトリプルアールよりパワーある気がするし、最初は暖機中だけかと思ってた甘い香りも、走行中に少し分かるようになってきました。

ブン回した後の信号待ちとかで、ほんのりとメロンソーダの匂いが。

土曜の夜の3桁国道。

笑いながら追っかけて来る次から逃げるようにスロットル全開固定!

シフトダウンと共にほんのり香る甘い香り。

メットの中でニンマリ笑顔。

「楽しいって、こういう事か」

と言ってしまった事もあります。

誰も聞いてないのに。

この時はドリーム89でした。

そんな思い出を心に刻んでくれた300V。

ドリームに300Vを入れて1000キロを過ぎた辺りから、異変が・・・。

気温高めの日の全開走行後、油温が最高潮に上がった時、

少しペースを落として走ってると、エンジンから”カリッ・・・カリッ”という音が。

全開走行中は風切り音と排気音と他のメカノイズで聞こえて無いんでしょうね。

特にドリームはメカノイズ凄いので。

すぐに道端に停めてアイドリングの音を聞くと

“カリッ・・・少し時間を置いてまた・・・カリッ”

と聞こえます。

空冷で全開走行して油温が上がりきった所で停車して走行風を当てず冷却しない状態。

つまりオイルにとっては最悪の灼熱地獄です。

その状態での油膜切れ。

空冷なんだから使い方の問題だと言われればその通りなんですが、もっと安心して回したい。

とりあえずクーリング走行。

高めのギアで低回転でエンジンに風を当てながら走ると音は聞こえなくなりました。

この時点では、気温が高い、長めの全開走行、などの条件が揃った時だけだったので、そのまましばらく乗ってました。

でも考えてみれば、サーキットなら1レース、つまり練習走行も含めれば300キロとか500キロでオイル交換なんて当たり前だし、使用回転数もサーキット走ってるのと大して変わらないんだから、レーシングオイルと考えれば、幾らか劣化しても当然な気もします。

という事は前回のワコーズトリプルアールも300Vより劣ってたというより使い方の問題だったのか?

という疑念。

まぁいいや。そらならそれで新しいオイルに巡り会うチャンス!と思い、

「さぁ次はどんなオイルを愛してやろうか」

と変態思考発動。

さしずめ、最強油膜に巡り会う旅路です。

試してみたいオイルは色々あるけど、とりあえずバイク用品店によく置いてあるヤツから試そう。

よく置いてあるって事は売れ行きが好調だから置いてる筈。

その中から、少し値段の高めなヤツを選べば、ある程度性能は良いだろうし、何より長期在庫で変質してるリスクが低い。

第一、消耗品なんだから買いたい時にすぐ買えないと。

という訳で近所の用品店の在庫チェックです。

見て回ったのは、2りんかん、ナップス、ライコランド、レーシングワールド、南海部品。

どの用品店も有名処はだいたい抑えてます。

老舗の大規模メーカーのうち、カストロールは除外します。

昔はカスターオイルの伝説を作ったメーカーでも例の一件

100%化学合成油?その表記を信じますか?
いきなり妙なタイトルですが、今回はエンジンオイルのパッケージの表記の話です。 僕はオイルメーカーの社員でもないし、化学者でもありません。 ...

以来、大丈夫?と思うようになりました。

ただ、ミイラ取りがミイラになった某メーカーよりマシですが。

話を戻して、調べた範囲内で見つけたのはナップスだけが在庫してたモチュール300Vの15w-60。

もちろん、

60番のオイルなんて硬すぎじゃないの?

とは思いました。

でも、今回の状況を考えると、高温時に異常が発生したので、熱に強い事を最優先するなら、単純に同じ銘柄で粘度を上げるのが確実です。

硬すぎる場合の懸念は、

・暖機に時間がかかる

・回転上昇が遅くなる

・レスポンス低下

・フリクションにより低回転時にパワーダウンする

・高回転が伸びない

・パワーバンドでの出力低下

こんなとこですか。

もちろん燃費も悪化しますが、趣味の乗り物なので気にしません。

硬いオイルの長所はもちろんエンジンの保護です。

さてこの短所、懸念の方がどの程度なのか?

それを試してみます。

本来なら硬いオイルが苦手なのは冬なので、冬になるまで硬いオイルを使い続けてみるつもりです。

因みに60番のオイルの在庫は他にもエルフとリキモリがありました。

3つともレースでも実績のあるメーカーなので気にはなりますが、

今回は同銘柄で粘度だけ上げてみます。

それとメーカーの説明文にもちょっと惹かれました。

以下モチュールのサイトからの抜粋です。

「当社が実施した旧300Vとの比較試験において1.3%の馬力の向上と2.5%のトルクの向上を達成。さらに信頼性と耐摩耗性を損ねることなく優れたギア保護性能とウエット・クラッチの性能を維持し、オフロード用モーターサイクルにとって理想的なパフォーマンスを実現します。

OFF ROAD 15W60は、ジャンプ着地やフープス走行に求められるクラッチプレートへの急激なトルクの増減に耐え、摩擦の低減と強靭な油膜保持性能の両立を実現したオフロード専用設計で、高粘度指定の輸入オフロードモーターサイクルやモタードモーターサイクル、エンデューロでの使用に最適なほか、ビッグボア・エンジンやヴィンテージモーターサイクル、クラッチの滑りやすくなったオンロード用モーターサイクルでの使用にも適しています。」

ここで惹かれたのはラストの所、ビンテージとクラッチのくだりです。

ドリームは基本的にはホンダ縦型兄弟、

その始祖は1970年のCB90です。

となれば最近のエンジンに比べてれば精度は低くクリアランスも広くビンテージと言ってもいいエンジンです。

そしてクラッチもボアアップしてる癖にスプリング強化程度しかしてないので

パワーバンドに入れてシフトするとしっかり回転を合わせてやらないと結構滑ります。

この説明文通りに改善されるのを期待して買ってみました。

オイル交換のやり方については、ちょっとしたコツもあるし長くなるので別の記事に詳しくまとめます。

さて実走インプレです。

硬いオイルでの懸念のひとつ、始動性ですが、感覚的には別に15w-50と変わりません。

低温時粘度が同じ15wだからでしょうね。

そのうち冬に20wでキック始動とかやってみたいです。

そしてタバコ1本分程暖機して走り出します。

ヘッドは温かくなったけど、この段階ではクランクケースカバーはまだ冷たいので回転は4000〜5000位に抑えてエンジン全体が温まるのを待ちます。

ケースが冷たいって事は、クランクベアリング周りのクリアランスがまだ広いかも知れません。

そんな状態でブン回すとクランクのサイドベアリングが逝きます。

しばらく走ると信号待ちでのアイドリング回転数が上がって来ました。

ケースカバーを触ると少し熱めのお風呂位。

ここまでの暖機時間が15w-50よりも若干長いような気がします。

そしてここから本番。

勝手に名付けた

“スロットルワイヤー引きちぎりコース”

東京の周りを5時間で一周する下道快速ルート 〜スロットルワイヤーを引きちぎれ〜
こんにちは。織田竜二です。 今回は下道プチツーリングルートの紹介です。 週末の夜とか日曜日とかに、ちょっとだけ走りに行きたいな、でも遠く...

ここで極力⁉︎法定速度内でブン回してみます。

空いてる時の3桁国道の車の流れは結構速いです。

飛ばしてる車は90キロ位は普通に出してます。遅い車でも70キロ以上。

その流れに乗るには、3〜4速でパワーバンドに入れてないと厳しい。

5速は完全なオーバードライブです。

巡航を維持する程度の加速力しか無い、はずでした。

今までなら。

ところが!

5速のまま差し掛かった大きな橋の登り坂。

速度が落ちて来たらシフトダウンしようと思っていると・・・

登りなのに速度維持してる⁉︎

回転数はパワーバンドの下端より1000rpm位下。

トルクが増えたのか⁈

そのまま橋の頂上へ。

初めてです。

この橋の長い登り坂を5速のまま登りきったのは!

下った後に続く長い直線。

安全確認後(色んな意味で)、禁断の最◯速チャレンジ!

9500rpmからシュゴオォ〜という吸気音が段々変わり10500位からキイィ〜ンという高周波音が耳をつん裂く。

速い!

この領域に達する時間が4速の時とあまり変わんない気がしてシフトペダルを搔き上げて5速に入っている事を確認する。

速度はいつもより5キロ以上速い!

上の伸び感はそんなに変わらないけど、そこに達する時間が短い。

説明文にあった、トルク向上。

「あながち大袈裟じゃねえな」

とメットの中で一人でニンマリ。

そろそろ油温もかなり上がった頃だろう、という事で折り返し地点で止まり、アイドリングの音を聞いてみましょう。

例のカリッという嫌な金属音がどうなったか。

フィンに手を近づけるだけでエンジンがかなり熱いのが熱気で分かります。

ケースカバーの端っこの方を触っても結構熱く感じる程。

アイドリングは高めで安定。

粘度が下がってる証明です。

エンジンに耳を近づけて音を聞きます。

カム周りからはカチャカチャ音がしますが、これは正常。

カリッというあの音は・・・・・

聞こえないなぁ、タバコ吸って待ってみよう。

キリンに「うまい」と言わしめたショッポにジッポで点火します。

走行風が無いし気温も高いので、こうして待ってるだけでも油温は上がるはず。

それにしても良い匂い。

300Vの甘い香りがほんのり香ります。

おっと匂いじゃねえ、音を聞くんだった。

そして何も聞こえないままショッポを吸い終わりました。

どうやら上手くいったかな。

まぁ新品オイル入れた直後だし、全く同じ条件じゃないけど、新品オイルだからこそのネガな部分、

高粘度によるフリクションロスを全く感じないどころか速くなっちゃった!ので今回のオイル選びは、成功したと言っていいんじゃないでしょうか。

そうそう。クラッチが滑る事も無かったです。

あとは、この性能をいつまで維持出来るか?ですね。

これは熱に弱い添加剤の耐久力次第になるので、もう少し走り込んでから再度リポートします。

お楽しみに。