MOTUL300VとワコーズTripleRを比較してみた。

今回はエンジンオイルを比較します。

MOTULの300Vと、その300Vのフィーリングを安価に再現しようとワコーズが頑張った(ワコーズ営業マン談)ワコーズのトリプルアールを比べます。

試すバイクはホンダドリーム50。タケガワのキットで89ccにボアアップしてあります。

現時点では、ワコーズのトリプルアールの15w-50が入ってます。

初めから比較インプレをやろうと思ってたので、たくさん走った後のヘタったオイルと比較してもしょうがない、と思い、

前回トリプルアールを入れてから、まだ千キロちょっとしか走ってません。

一発アタック用オイルならまだしも、トリプルアールでこの程度の距離なら、大して劣化してないと思います。

走行中のフィーリングも新品オイルの頃と殆ど変わってない感じです。

選んだオイルの粘度は15w-50。

小っちゃいバイクに50番は硬いんじゃないの?

と思った人は鋭い!

ノーマルエンジンで特に冬だったら硬すぎると思いますが、

ボアアップエンジンである事、冬に暖機を長めにやるつもりがある事、乗り方が結構高回転で回し気味に走る事、

サービスマニュアルには、夏なら20w-50指定と書いてある事、

等を理由にちょっと硬めにしてみました。

サービスマニュアルに書いてあるって事はその粘度に対応できるオイルラインだと言う事。

正確に言えば、オイルポンプのサイズとオリフィスの径のバランスによって、ちゃんと油圧が掛けられる、という事です。

勿論、ノーマル状態での話。

つまりボアアップして熱量が増えた分、油温が上がれば粘度が下がるので

ノーマルエンジンに50番を入れた状態よりは、走行中のオイル粘度は低い、という事です。

因みに真冬のクソ寒い時期にもトリプルアールの15w-50で乗ってましたが、東京の冬の寒さ程度なら不便は全く感じませんでした。

冬に10w-40との違いを感じた事と言えば、目的地に着いて、すぐにエンジンを止めずにしばらくアイドリングしてると、冷たい北風がビューッとエンジンに当たった後に少しアイドリングが下がりました。

風の当たらない所に移動するとアイドリングが少し上がりました。

この現象は10w-40の時には、ありませんでした。

つまり、北風によってエンジンオイルが冷やされて、温度が下がったオイルは粘度が上がり、

上がった粘度は抵抗となって、軽やかに回ろうとするビッグエンドメタルにブレーキをかけ、

スムーズに滑ろうとするシリンダー壁面とピストン側面にブレーキをかけるので、

アイドリング回転数が下がったんだと思います。

10wだと東京の冬の気温程度では、アイドリングが下がる程、粘度が高くならないんでしょう。

もっとも最近のインジェクションのバイクはアイドリング回転数もコンピューターで自動制御されるので、こんなアナログな現象は起きませんが。

この現象が起こるって事はそれだけ油膜と粘度が保持されてるって事でもあり、いたわってあげないと、いつ寿命を全うしてもおかしくない貴重なキャブ車のエンジンを守ってくれてる気がするので安心します。

それと当たり前ですけど、やっぱり硬いオイルの方が高回転を維持した時の調子が良いです。

例えば僕のお気に入りの

「アクセルワイヤー引きちぎりコース」

↓↓↓

東京の周りを5時間で一周する下道快速ルート 〜スロットルワイヤーを引きちぎれ〜
こんにちは。織田竜二です。 今回は下道プチツーリングルートの紹介です。 週末の夜とか日曜日とかに、ちょっとだけ走りに行きたいな、でも遠く...

で高回転キープした時に10w-40だと真夏に”カリカリッ”とイヤ〜な音が聞こえた事がありました。

15w-50にしたら音は聞こえなくなりました。

もちろん、同じ銘柄同士での比較なら、粘度を上げればレスポンスは遅くなり、燃費は悪化します。

でも、愛するエンジンが油膜切れで金属同士が擦れあってカリカリカリカリと悲鳴を上げてんのに、聞こえないフリをするような薄情な男にはなれません。

だったら燃費やレスポンスはどうでもいいです。

もとい。

燃費はともかくレスポンスはちょっと気になります。

そんな時は”油膜は強いけどレスポンスが良い”と謳ってるオイルを選んでも良いですね。

ワコーズで言えば4CRみたいなヤツね。

本格的なサーキット専用オイルだとレスポンスはメチャクチャ良いけど、ライフが短くて、基本的に1日限りの使い捨て、みたいなヤツもあるから、公道用としてはキツいっすね。

ワコーズで言えばダブルアールなんかは、ライフは短い方です。

それでも1日って事は無いけど、1レースで交換です。(ワコーズ営業マン談)

そういうのは大抵、酸化安定剤とか洗浄剤とか、つまりロングライフに関わる添加剤を削って、高温時の油膜保持力に振ってあるわけです。

レーサーなら、レースが終わればエンジンなんてバラバラにするんだから、それで良いんです。

サーキット最強オイルが公道でも最強な訳じゃないと言う良い見本ですな。

で、モチュールの300Vは公道対応なので、それでもパリダカに使える性能があるんだから、ベースオイルがかなり良いんでしょうね。

では前置きはこの辺にして、インプレです。

エンジンの始動性は、同じ低温時15wなので当たり前ですけど、別に変わらない感じです。

暖機にかかる時間も大差なさそうですね。

アイドリングが安定してきた所で、ゆっくり走り出してみます。

僅差だけど、低速域のトルクが太いような気がします。

そのまましばらく走ってると信号待ちでのアイドリング回転数が少し上がって来ます。

キャブ車の場合、これで少し油温が上がって粘度が下がったな、というのが分かります。

別に粘度を下げるのが目的じゃありません。

目的はエンジンを暖めてピストンクリアランスやクランクメタルクリアランスを適正値にしてブン回す準備をする事です。

準備が出来たら、段々と回転数を上げて行きます。

中回転域、このドリーム89の場合は5000〜7000位ですかね。

この辺りでの回転が滑らかな感じ。

トリプルアールを初めて入れた時も滑らかに感じましたが、その感覚に慣れた今、改めて滑らかと感じるって事は、300Vの方が更に滑らかって事でしょう。

滑らかって分かりにくいですね。

スロットルの開閉に過敏に反応せずに開けた時のトルクはちゃんと付いて来ます。

簡単に言えば乗りやすいって事です。

そろそろ上まで回してみます。

このドリーム89は8000からパワーバンドに入ります。

ヘッドがノーマルのキットなので上の回転はノーマル程は伸びません。

ノーマルに比べるとかなりトルク型の設定です。

パワーバンドは11000位までトルクが乗って条件次第では12000ちょっと位までは伸びます。

これはトリプルアールでの場合です。

さて、300Vではどうでしょうか、

8000辺りから力強くなって来て8500辺りからトルクがもう一段強くなりました。

この辺はトリプルアールと同じ感じです。

更に回します。

このまま11000辺りまで同じ感じで伸びて行くかと思ったら、9500辺りで更に力強くなったような気がします。

これはトリプルアールには無かった感覚です。

ただし、この力強さを感じるのは10500位まで。

その後の伸び方はトリプルアールとさほど変わりません。

勘違いじゃ無い事を確認する為に、8000〜12000辺りでの加減速を何度か繰り返してみます。

う〜ん・・・。

言われてみれば10000前後は強いような気もする・・・?

何度もやってる内に感覚が慣れちゃったのか?

つまり、慣れちゃうと、勘違いかもしれない、と思える程度に差が小さいって事でしょうね。

ただ、お気に入りの”スロットルワイヤー引きちぎりコース”の途中の恐竜橋の上り坂は、上り易くなったような気がするので全体的にトルクは上乗せされてるのかも知れません。

それともうひとつ。

300Vは性能は良いけど、短命だという噂を良く聞きます。

劣化が早いというか。

これは、もっと距離を乗ってみて判断したいと思います。

考えようによっては、最初の性能が良過ぎるので劣化して、他のオイルと同レベルになるだけ、という事かも知れませんが。

まとめです。

確かに300Vとトリプルアールの差はあるのかも知れませんが、その差はほんの少しです。

値段の差を考えると、これっぽっちの差の為にお金を出せるか?という価値観次第。

ワコーズがフィーリングを真似したというのであれば、まぁ成功してると思います。

“これっぽっちの差”に拘りたいなら、お金を払う価値はあるかも知れません。

こうなると次は”同価格帯勝負”がしてみたくなりました。

300Vとの比較として、ワコーズのWRや4CR、パノリン、マニアックな所で円陣屋至高とか広島高潤なんかも面白そうです。

とりあえず、300Vでもう少し走ってみます。